【109】福田康夫元首相への「直撃インタビュー」──前議員会での束の間の語らいから/6-10

 

 6月6日から3日間、上京してきました。きっかけは、衆議院前議員会が久しぶりに開かれた(7日開催)ためです。コロナ禍前までは、ほぼ毎年一回、講演会付きで行われてきましたが、今回は議長公邸での懇親会のみ(120人ほどが参加)。わたし的には、福田康夫元首相との懇談を始め、実に実りある機会となりました。衆議院細田議長と島村前議員会会長)の型通りの挨拶のあと、各テーブルごとに雑談をしたのですが、私は現役時代に数々の思い出がある福田元首相と話しました。話題は3つ。一つは、対中国観。彼が中国習近平主席を高く評価する発言を、かつて「淡路島のフォーラム」で聞いたことがあり、印象深かったので、今も変わらないかどうか改めて訊きました。同氏は「変わらないよ」と言った上で、「(習主席は)日本の悪口は言わないね」とのことでした。私は、「池田思想研究所」が中国各地の大学に併設されていることを、ご存知かどうか聞いたところ、勿論だとの返事。このため、池田先生と周恩来元首相との関係と並び、福田元首相と習近平主席との固い絆も日中関係にとって極めて大事だと思う、と伝えたしだいです◆2つ目は、かつて、私の地元での「励ます会」の講師として、官房長官当時の福田元首相に来てもらったことについて話題が及んだ際に、「あの時は姫路に行って本当に良かった」と言われたのです。同市手柄山にある第二次大戦での全国空爆死没者慰霊塔に立ち寄られた時のこと。日本に戦没者を弔うための中心的施設がないので、ぜひ姫路の慰霊塔を援用すべきと私が主張したことを覚えておいていただいたのです。その願いは叶わなかったのですが、福田氏は「(あの視察は)いい勉強になったよ」と懐かしそうに言って下さったのには、こちらが驚きました◆3つ目は、御子息の福田達夫前総務会長のことについて。私が、彼は将来の首相有力候補であり、親子3代の首相も夢でないですねと、持ち上げました。尤もそれに続いて、先の統一教会問題で、不用意な発言をされたことは残念でしたと、痛いところを突く話題を投げたのです。福田氏は、彼は何にも知らないのだから、よせばいいのに(余計なことを言って)ねぇ、と率直な反応でした。好感が持てる発言でした◆最後に、私が出版した『77年の興亡』について、遅ればせながら送るので読んで欲しいという一方、近く続編めいたものを出版するので、その推薦文をお願いしますと頼み込みました。色良い返事だったので、届け先は?と迫ると、息子のところに、とのこと。うーん。さて、どうなることやら。ともあれ、束の間ながらの充実した「直撃インタビュー」ではありました。(2023-6-10)

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