【179】明石市は県議も市議も立民はゼロ!━━立憲民主党代表選挙に思うこと/9-8

 立憲民主党の代表選挙が告示された。7日の日本記者クラブ主催の討論会に続いて、8日にはNHK総合テレビで日曜討論会が放映された。こうした報道に接して、兵庫県の明石市に住む人間として素朴な違和感を感じることからこの稿を書き始めたい。まず、この地域の衆院小選挙区は兵庫9区だが、この20年余りずっと自民党安倍派だった西村康稔氏が当選し議席を7期にわたり独占し続けてきた。野党第一党の立憲民主党は、衆議院では議席を有したことがない。いや実は現在明石市選出の県議会議員(定数4)も、市議会議員(定数30)も所属議員はゼロなのである。そんな政党が「政権をとる」というスローガンを掲げるのは、残念ながら絵空事に思えてならない。この3年間に限っても「旧統一教会」や「政治とカネ」の問題といった、自民党の屋台骨や土台を根底から揺るがす大事件が起きているのに、である◆政権交代を窺う一大チャンスの時に、市内で目立つポスターは「自民党公認」を得られない、「無所属」の西村氏のものばかり。テレビで野田佳彦元首相始め立憲民主党代表選の候補者の口からでてくる「裏金議員には対抗馬を立てて、当選させないようにする」というセリフが虚しく響く。辛うじて名乗りをあげている「維新」の候補に一本化できるのかどうか。その「維新」は斎藤元彦県知事の少数与党としてパワハラ問題で苦境に立ち続けていて、それどころじゃない。金権腐敗体質から抜けきれず、思想信条も怪しげなエセ宗教団体との関係にどっぷり浸かった自民党がものの見事に自壊過程に入っているのではないかと見られる時に、野党がこの体たらくでは、嘆かわしい。NHK の放映を見ていて、私なら知りたいという角度の質問がこの日は全くでなかった。期待した質問は、政権の座から転がり落ちた2012年末からこの12年間、野田氏や枝野氏はどう政権時を反省して、どう変身への努力をしてきたかというものである。一般市民としては、あの民主党政権の3年の「負の遺産」から、今はどう変わっているのかがさっぱり分からないのだから◆野党共闘の問題も、「国民民主党は、元は同じ党だったから」という言い回しが使われていたが、だからどうなんだと聞きたい。同じ党だったから修復は簡単なのか、いや、返って難しいのか。そのあたりが一般有権者は分からない。また、「維新」や共産党との関係については地域ごとの事情に応じて変幻自在、自在無碍にやろうという空気が感じられるが、果たしてそううまく行くのかどうか。スタート時点での討論会の雰囲気は、政治改革では一致するものの、消費税や原発を巡っては訴える主張に差があった。それは当たり前のことで、あまり差の部分ばかり強調され過ぎないようにしてほしいに違いない。これからの長丁場で立憲民主党は頼れる政党だ、自民党に代わって十分政権を担えるという確信を国民各層に思ってもらえるかどうか。しっかり見極めていきたい◆自民党政権の与党・公明党も、山口那津男代表がこの度の代表選挙(18日告示28日投票)には立候補しない方向であり。週明けにも記者会見するものと見られる。世代交代、若返りの流れも取り沙汰される状況下で、山口氏の続投には無理があるように思われる。複数の立候補者が出て初の選挙になるのか、それとも1人だけで信任投票に終わるのか現時点では不明だが、私は月末までの3週間ほどの期間は公明党にとって、極めて大事な時だと思う。これまでの自公政権で解決し得た課題、積み残した課題を整理して、せめてこれからの展望に向けての問題点を明確にしてほしいものである◆この稿の冒頭で立憲民主党が明石市において県議も市議もゼロという逆三角形の政党であることに触れた。実は地方に行けば、町村議会では保守系無所属という名の擬似自民党ばかり。人間の身体に例えると自民党以下の政党は中枢機能は立派でも、末端神経や先端細胞は繋がっているかどうか疑わしい党ばかりだ。その点、公明党は中枢部分は小ぶりでも最先端部とがっちり繋がっていて、連携は正確無比である。自民、立民のように〝頭でっかち尻つぼみ〟政党とは違う。であるが故の、地に足つけた現実主義的な議論をし得る政党としての真価を、この際天下に示して欲しい。それが無くて、ただ大きい政党の候補者の大風呂敷を広げられるのを聞くだけでは、たまらない。いやそんなもの聞きたくないと思うのは私だけではないはずだ。(2024-9-8)

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