【47】観光客誘致に向けて台湾に飛ぶー平成31年(2019年)❶/8-31

●相手の観光ニーズ探る新しい手法

新しい年・平成31年が明けました。(一社)瀬戸内海島めぐり協会も発足以来5年目。なんとかDMO法人たらんと、実績積み上げに躍起となってきました。兵庫県観光局の支援を得て地域創生交付金を支給されることもでき、インバウンド客誘致に向けて東南アジア各国に飛ぶことにし、まず台湾をめざすことになりました。ジェノバラインの観光事業部のメンバーと、勝瀬典雄さんとの激論の末に、現地でニーズを探り、台湾人の望む訪日プランを考えさせるとの新たな手法に着手することにしたのです。

1月21日から三泊四日の日程で私と勝瀬氏を含む3人でチームを組み、台湾の観光業者を11社ほどを訪問しました。日本への呼び込みをする商談は私にとって初体験の連続で、戸惑うことばかり。観光事業の専門家兼通訳の福井智氏の卓越した能力に助けられ、なんとか仕事はこなせましたが、正直言って前途多難は否めないと言うのが実感でした。

●日台双方の旧友との懐かしい出会い

他方、この旅では、観光誘致の仕事もさることながら、私は他に三つの目的も持っていました。一つは、台湾総督府の幹部と会うことです。台湾にはアジア・オープンフォーラムの一員として、中嶋嶺雄先生と一緒に台北、台中、高雄と訪れたことがあり、その際に、許世楷さんとご縁が出来ていたのです。後に彼が駐日事務所代表(台湾の大使に相当)になられた時に、姫路城から夢前町へとご案内しました。天守閣までの狭い階段の昇り降りに、とても苦労をおかけしたこと覚えています。この時に同行されていた秘書官の陳銘俊さんが、その後栄進され、台湾民進党政権の中枢を占めておられます。訪台の際には是非、総督府へとお招きを頂いていたのです。

李登輝総統が健在だった頃に、ここには一度入ったことがありますが、今回はまた違った味わいがありました。久闊を叙するいとまももどかしく、日台双方の懸案、課題をあれこれと話題にしました。蒋介石総統の胸像が安置された場所の下に位置する階段で、記念撮影が出来ました。これには同行の勝瀬さんも、とても喜んでくれました。

二つは、この地の毎日新聞支局長として赴任している福岡雅哉記者に会うことでした。彼とは、番記者時代からの繋がりです。香港と台北をカバーする極めて大事なポジションにいるだけに、現地でホットな情報に接することがとても楽しみでした。案の定、重要な視点を様々に伝授してくれました。

●台湾大使から観光の教えを受ける

三つ目が、台北事務所長である沼田幹夫大使に会うことでした。明治維新の志士を思わせる気骨漲る外交官で、様々な啓発を受けることが出来ました。この時は、日台両国の観光をめぐる話題が中心で、台湾の富裕層が日本を訪れるにあたって、ガイドを自前で連れて行くとのこと。現地の日本人ガイドでは飽き足らぬものを、提供してくれるというのです。なるほどと感心すると同時に、優秀な観光ガイド育成の重要性を痛感しました。

中国が観光を台湾との経済コントロールに使っているとの話も意味深長なものがありましたが、日本からの台湾への観光客が低減していること、日本の政治家に台湾軽視が見受けられることなどへの不満めいたものを洩らされたことは、気掛かりでした。(2021-8-31)

 

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