《17》与野党ともに胸襟開き生身の言葉をー衆参両院の代表質問を聞いて

 岸田首相の所信表明演説を受けて、衆参両院の代表質問を聴いた。その印象を幾つか述べてみたい。まず総論として、いつもながらの一方的な「代表質問」の退屈さは否めなかったと言わざるをえない。演説にはもっとユーモアを、もっとわかりやすくドラマチックな質疑を、との率直な要望を伝えたい。例えば、泉健太氏が岸田首相と、志位共産党委員長との間に位置して、同じ誕生月日だと述べたことに対して、首相のそっけなさはいただけない。同じ星の下に生まれたもの同士、お互い大いに歩み寄りたいぐらいの答弁が欲しかった。安倍、菅両先輩首相に比べて滑舌の良さが評価出来るだけに勿体ないと思う。各論的には、立憲民主党の様変わり質問、日本維新の党の気張った角度など、今後の展開に向けて注目される傾向も伺えた。一問一答方式の来週からの予算委員会が期待されるところだ◆立憲民主党の泉新代表の質問は個人的には大いに好感を持った。枝野幸男前代表にはなかった新鮮さを感じた。総選挙を通じて、共産党との共闘に不安材料がクローズアップされる一方、維新と国民民主の蜜月ぶりを見せつけられる状況下では当然だろう。政府与党への批判と共に、提案型政党として新出発するという。先日、フジテレビ系の番組「プライムタイム」で見せた小川淳也新政調会長の斬新さと共に、大いに期待したい。一方、野党第二党に躍り出た維新の党の馬場伸幸共同代表の質問は、立憲民主を脅かすに十分な迫力があった。とりわけ、文書通信交通滞在費(文通費)の使途公開など、この党の年来のアピール「身を切る改革」を強調し、立憲民主に連携を呼びかけるなど、左右両勢力を揺さぶってみせた◆この「文通費」が現在における国民の最大の関心事であることは論をまたない。自民党は、議員の政治活動の在り方と密接に関係する過去からの経緯もあり、拙速な判断選択をせずに慎重な議論が必要であるとしている。過去に文通費を受給した人間として、これはその通りだと思うものの、現在の社会経済的状況に鑑みて、この態度は極めて反国民的姿勢に映る。ここは、公明党の出番だと思われる。石井啓一幹事長は「使途公開などの透明化も重要であり、実現すべきだ。適切な使途の範囲の明確化など検討すべき課題が残されており、引き続き政党間の協議を続けるべきだ」との主張の推移を見守りたい。自民党との合意を得てこそ、中道政党の面目躍如たる由縁と思われる◆この国会の最大の見どころは、自公、立共、維国という3種類のグループ化が判明してきた兆しがどう展開するかであろう。政治的価値観でこれを枠組みで見ると、「保守・中道」「保守・リベラル」「リベラル・革新」と大雑把に区分けできよう。ただ、そうは言っても、かつての55年体制下の自社両党による「保革対決」とは違う。自民、共産の間にはその名残りはあるものの、それ以外の党は、政治的手法では中道主義の本意である合意形成に執心するものと思われる。〝本家中道政党〟たる公明党としては、自民党の従来からの硬直化した姿勢を糺すことこそ、使命であると、自覚を促したい。安定を求めるあまり、改革がないがしろにされてはなるまい。支えることは大事だが、党が違う限り、自ずと限度があることを弁えて欲しいと痛切に感じる。(2021-12-11)

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