《22》「政治停滞」の犯人探しの愚ー『選択』1月号から/1-7

 情報誌『選択』は、毎号国内外の情報を的確に分析してくれ、興味尽かせぬ面白さがある。最近では、幹事長が岸田政権の急所になるとの「茂木敏充という災厄」の記事はなるほどと思わせたし、「バイデンは『一期』で終わりそう」や「欧州連合はすでに『死に体』」といった記事(12月号)など大いに読み応えがあった。ただ、公明党に関する記事はややもすれば当たり外れがあるようだ。今回取り上げる1月号の『公明党こそ「政治停滞」の主犯ー自民党『創価学会依存』で続く悪弊」なる記事は、〝大いなる外れ〟だと思われる。この記事は、内政における「バラマキ」と安全保障面での「現実性を欠く平和主義」の二つを槍玉に挙げている。23年目に入った自公の「友党関係こそが政治の停滞の『元凶』と知りながら抜け出せない閉塞感が、一層色濃く永田町、霞が関を覆っている」というのだ。この現状認識は著しく公正さを欠く。山口公明党の中枢なら、「友党公明党の存在あっての政治の『安定』であり、停滞の『元凶』とは筋違いも甚だしい」というに違いない◆政策判断の当否を見る場合も、自ずから両面がある。新型ウイルス対策の18歳以下への10万円給付をバラマキと見るか、弱者救済策と見るかは立場、境遇によって違ってくる。恵まれた生活環境にある人たちは不必要と見るも、生活困難者の目にとっては得難い施策と写ろう。平時なら大盤振る舞いに見えても、緊急事態時の今は必要不可欠の一手なのである。一方、「中国に毅然とした態度を取れずにいるのは公明党の影響力と無縁ではない」とか、「いわゆる敵基地攻撃能力の保有の議論を始めることにも公明党は慎重だ」などと、外交安全保障政策でも愚痴に近い泣き言を言っている。前者は、対中政策で国を挙げて強硬姿勢になることや、いたずらに周辺諸国と、ことを構えるのが、外交上得策かどうかは意見の分かれるところだ◆政権与党を組んでいる両者は、政党が違うのだから大いに議論をして、妥協点を探ればいいだけのことである。5年ほど前の安保法制の時は、丁々発止の激論が交わされた。その結果、集団的自衛権を条件付きで認めるという形で、玉虫色決着が図られた。現実に新制度下で緊急非常事態が起こっていないから何とも言えない側面はあれ、公明党の存在あったればこその安全保障サイドの前進だといえた。対中国や対北朝鮮問題で、公明党らしい政策を主張することが「政治停滞」と見るのは、右翼的色彩の濃い観点からのものと言えよう。私など、もっともっと公明党からの「改革」の発信が欲しいと常々思っており、現状では未だ弱く不満に思うことも少なくない◆「選択子」は、この記事の冒頭で、「政権として見れば、公明党が政策にブレーキをかけ、時に歪める構図は変わらない」と嘆く。それは中道主義の観点で、右に偏り過ぎる政策をただしているのであって、それが歪められると見るのは、手前勝手が過ぎるというものだ。私から見れば、公明党らしさの主張は未だ足りないと思っている。公明党のスタンスが気に入らないのなら、自民党単独で政権運営をするなり、他党を与党に組み入れればいいのである。尤も、それができないから苦労しているのだとの声が聞こえてきそうだが、お互いのプラスマイナスを測り合う幅広く深い議論を両党間ですべきだろう。尤も、残念ながら昨今、公明党内に不祥事が散見される。これは「公明党の自民党化」現象であろう。「自民党の公明党化」を目指して組んだ自公政権である。お互いのいいところを取り入れて「安定のもとでの改革競争」をすべきなのに、悪いところを真似してスパイラル現象に陥るのはごめん被りたい。今回の「選択子」の歪んだ政治「停滞」の犯人探しなどに付き合ってはおれないのである。(2022-1-7)

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