瀬戸内海の島めぐりに夢と希望をたくす人々

一般社団法人「瀬戸内海島めぐり協会」が昨22日、淡路島のホテルウエスティン内にある夢舞台で発起人会を開き、実質的にスタートを切りました。会長に中西進氏(文学者)、副会長に吉村静穂氏(ジェノバグループ会長)と堀江謙一氏(冒険家)を選び、私は専務理事に就きました。この協会は、淡路島の島めぐりをベースに、瀬戸内海の島々をクルーズし、世界からの観光客を引き込もうということを狙いにしています。これまで明石と岩屋をつなぐ航路に船を走らせてきた船会社・ジェノバラインは、去年から淡路島を船でぐるり一周するツアーを実施したり、小豆島や直島への島めぐりを実施してきましたが、さらにそれを拡大・発展させようというものです。そのために、一般社団法人を作り、多くの賛同者を募ろうというわけです▼吉村氏は発起人会で、「一企業がこうした事業を展開するのは自ずと限界がある。同業他社をはじめ共鳴してくださる方々と協力して大きな夢をかなえていきたい」と訴えていました。私はこの2年の間、この人と接触してきましたが、その人物のスケールの大きさに深い感銘を覚えてきました。一級の経営家だと確信します。また、ナンバーツゥーの豊田一義副社長をはじめ脇役に人を得ており、この人たちと瀬戸内海にインバウンドするプロジェクトに取り組むことで、これからのわが人生に大きな彩(いろどり)を添えていきたいと決意したしだいです▼会長に就任した中西進氏は名だたる万葉集の研究家であり文学者。また、堀江謙一氏は「太平洋ひとりぼっち」で世界的に有名な海洋冒険家です。二人とも吉村会長とは長年の知己で、この協会の試みに勇んで参画されました。中西さんは「瀬戸内海は日本人の心のふるさとです。観光振興に加えて、日本文化のルーツを探る旅を展開していきたい」と抱負を述べていました。堀江さんは、「最近、瀬戸内海によく行きますが、世界でも稀な内海の持つ美しさにその都度感激を新たにします。自分の経験を生かして貢献していきたい」と展望を語っていました。その他に、この協会の趣旨に賛同した著名人は総理夫人の安倍昭恵さん、数学者の広中平祐氏、住友電工社長の松本正義氏をはじめいろんな方面から数多くの方々が名を連ねてくださっています。いかに瀬戸内海に皆さんが熱いものを持っているかがわかるというものです▼私はかつて中学校時代に淡路島・慶野の松原でのキャンプファイヤーをやったこと、そして高校時代の卒業旅行に神戸から別府まで瀬戸内海を横断した船旅など、未だに忘れられない経験をしました。これからの人生にあってこの原体験をもとに、観光はもとより、日本文明のこれまでとこれからに思いを馳せる、思考上の冒険をしていきたい、と考えています。(2015・9・23)

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