風力発電や太陽光発電などの再生エネルギーの開発を進めようとする動きが、各地で自然破壊を起こしつつある。これに対して、住民たちがもっと反対の声を強く上げようと、全国再エネ問題連絡会がさる22日に兵庫県西宮市の夙川公民館で、「第二回全国大会in 兵庫」を開きました。私が顧問を務める「日本熊森協会」をはじめ、全国49団体が加盟しているもので、私も参加してきました。オンライン配信が同時にあり、現地に集ったひとは、そう多くはありませんでしたが、北は北海道石狩市から、南は九州・熊本・水俣市まで全国7箇所の報告もあり、大いに充実した集会でした◆基調講演は、鈴木猛康山梨大名誉教授による『増災━日本列島崩壊に至る再エネ開発━』。鈴木氏は、今進みつつある再エネ事業は、内外の投資家への利益誘導で、水源の森を大伐採して進められており、二酸化吸収源として気温を緩和する働きを持つ森林を破壊する、まるで新たな災害を増やす事業だと、その本末転倒ぶりを糾弾しました。また、同連絡会の共同代表である室谷裕子・日本熊森協会会長は、「国の再エネ規制はどう進んだか?」と題して、国有林、緑の回廊など、国の手で守られるべき緑の源泉がむしろ、次々と壊されている現状を的確に解説。「再エネ規制」の名の元に、悪い方向に進む実態を明らかにする一方、こうした現状を今の法律では止められないとして、❶法規制を求める動き❷孤軍奮闘する住民、地域の連携と支援が必要だと訴えました◆こうした講演を受けて、参加した宮城・加美町、京都府・京丹後市などの現地報告や、共闘する国会議員からのビデオメッセージや動画が披露されました。このうち、公明党からは、私の後輩である東北比例ブロック選出の庄子賢一衆議院議員の農水委員会での発言が紹介されました。緑の回廊への対応が経産省と林野庁とが相反する現状であることに強い懸念を表明し善処を要求していたことは、強く印象に残りました。他にも自民、立憲民主、日本維新の会の衆参両院の議員たちの映像が見られたのですが、多くが日本熊森協会の顧問たちだったことは、強い共感を得られました◆この会合に参加した私の胸に去来したのは、ほぼ10年ほど前に、衆議院予算委員会の場で、原発に代わって再エネの利用を強く主張したことです。あれから、再エネ増への道が開けてはきたものの、却って緑を破壊する方向が露骨になっているのは残念です。緑豊かな地域で自然破壊を増幅させることを伴わない形での再エネ増を模索するべく動かねばなりません。そうせねば、かつての私自身の発言が無責任になると、痛感したしだいです。(2023-7-26)