【117】維新代表の「第二自民党」論の真っ当さ加減/8-18

 少し前に維新の馬場代表が自分の党のことを「第二自民党」だと言って世の物議を醸した。与党自民党からも、野党からも「何を狙ってるのか」「(与党入りの)本心が透けて見えた」とか、悪評芬芬のていだった。当のご本人の思惑が那辺にあったか判然としなかったので、私もやり過ごしたのだが、大分時間も経ったので、ここいらでちょっぴり岡目八目的論評を加えてみたい◆私は自民党を公明党の「友党」というのなら、維新は「第二友党」と呼ぶべきだとの論及をしてきた。経緯はともあれ、公明党候補が出る衆議院小選挙区に自民党と並んで、維新も候補者を立てようとせず、正面からの争いを避けてきた党を友党と言わずして何と言えばいいのかと思ったからである。これまで、関西エリアにおいて、公明党が6小選挙区で勝利を曲がりなりにも得てきたのは、自民党、維新のお陰もあることは紛れもない事実だ。次の総選挙で維新が対立候補を出すからと言って、急に敵対視するのは大人気ないといわざるを得ない◆維新が大阪自民党から分かれ出てきたものであることは天下周知のこと。元を正せば、ルーツ、戸籍は自民党なのである。野党第一党の座を争うようになったからと言って、生意気にも、あるいは馴れ馴れしく「第二自民党」と名乗るのではない。氏育ちから言っても、正真正銘の第二自民党なのである。それが証拠に、「憲法改正」を目指すところを始めとして、自民党以上に保守の政治スタンスを隠さない◆恐らく馬場氏は自分の発言を観測気球のようなつもりで口にして、世の反応を伺って見せたものと思われる。というか、当たり前のことを言って見せて、みんながどう受け止めるかを探ったに違いない。「第二」とは、ご先祖・自民党に遠慮して言ったのだろう。いわゆる革新勢力やリベラル的なるものが公けには存在しなかった、戦前の日本の政党政治が「保守二党」が常態だったから、現在にあっては2番目の自民党だ、と。私には「新自民党」だと言わないところに、お顔の雰囲気に似合わぬ〝奥ゆかしさ〟を彼に感じる。勿論、このことと当面する政治課題や選挙で、自公両党と維新は相争う存在だということは、別けて考えねばならないということは当然である。(一部修正 2023-8-19)

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