自民党の派閥の政治資金パーティーによる杜撰なお金の取り扱いに起因する、惨憺たる日本の政治の現状に対して誰しも呆れかえっています。こんな事態を前にして①なぜこうなったのか②先行きはどうなるのか③与党・公明党の責任をどう考えるか──などを70代後半の年金生活のお爺さん《爺》、40代後半の零細企業を経営するお父さん《父》、20代前半の学生の娘さん《子》の3世代による架空鼎談を試みました。上中下3回の予定です。
《父》いつにも増して、今年の確定申告は嫌だったなあ。自民党の政治家たちがまさに脱税そのものの様なことを集団でやってるのに、僕ら庶民大衆がギリギリ搾り取られてるなんてのは、全く馬鹿みたいで。
《子》そうねぇ。でも納税は国民の義務だからね。政治家って、なんでこうも、金、カネ、かねの亡者みたいなのかしら?そんなにお金をかけないと政治ってできないのかなあ?お爺さんの若い時はどうだった?
《爺》基本的にはおんなじ。30年前はリクルート事件に代表される、特殊な企業が大物政治家らに餌を撒いたんだよね。でも、今度のは派閥ぐるみで政治家が主体的に動いた結果に見える分、より始末が悪いね。
《父》僕ら子供心に政治家って憧れてたけど、あれから信頼する気が薄らいだなあ。政治にカネがかかるのは中選挙区制のせいだからと、小選挙区比例代表制に変えたし、政党への助成金まで出すことにしたのに。
《爺》確かに、政治改革の大合唱が巻き起こり、大騒ぎしたもんだったよね。俺と同世代の佐々木毅(東大名誉教授)なんか、えらい入れ込み様だったけど、30年経ってこのザマじゃ、ガッカリだろうな。可哀想だよ。
《子》お気の毒ね。さっき、お父さんは政治家に憧れがあったって言ってたけど、今の様な体たらくになってしまったのは、何が原因だって思う?仕組みをあれこれ触って変えてみても、効果なしってことじゃあねぇ?
《父》いくつかあるよ。大きいのは人件費が嵩み過ぎってことじゃないのかな。自民党の場合、1人の議員が20人もの秘書、事務員を抱えて、月額4-500万円もお金がかかるって聞く。それだけのお金を集めるって、実際大変だと思うよ。政治活動をすればするほど交際費は増えるって、雑誌上で議員があれこれと嘆いてた。
《爺》俺は自民党って政党が長い間政権の座についてきて、やっぱり傲慢になった側面が強いことが根底にある気がするなあ。何回選挙しても結局大きく議席は減らない自民党に所属してると、庶民感覚が薄れてしまうんじゃあないか。お金の取り扱いについても知らぬまにずさんになってしまう。緊張感も足らなくなるよ。
《子》青年が政治を監視することの大事さを聞いたことがあるけど、私たちももっと政治に関心を持っていかないとね。昔は学生運動が盛んで、大学も荒れてたりして、権力批判の傾向が強かったようだけど、今の若者と比べると、全然別世界のことの様に思える。でも、SNSやユーチューブの活用など、私たちなりのやり方で政治意識を高めていきたいって思うわ。(2024-3-20 つづく)