《子》日本の政治がこうも酷くなってきたことの背景はそれなりにわかったけど、じゃあこれをどう立て直そうとするのかしら。政治倫理審査会はやってはみたけど、被疑政治家の弁明の繰り返しだけ。ことの本質解明に迫るような成果はゼロだったよね。それに、再びこんなことが起こらぬようにする法改正はどうなってるの?
《父》国会は政倫審の場から証人喚問をめぐる攻防に移るかどうか注目されている一方、予算審議が参院で終わらないと、政治改革関連の法案についても本格化しない。新聞メディアの関心はどう自民党が自浄作用を果たすかに向きがちだし、ことの因果関係を曖昧にしたままの幕引きは許されない。政治家の乱脈経理の実態を根絶するために、自らを縛る法改正を政治家自身ができるのかという根本問題もあるしねぇ。
《爺》30年前の政治改革の時は民間政治臨調が活躍して、政治学者や財界の大物の出番があって、いい意味で騒がれた。今回はもうみんなうんざりしていて低調のようだし、その辺の動きは、「これからの感」が強いね。いわゆる連座制を導入して、今度こそ政治家の「責任回避=秘書任せ」は、ご法度にして金の出入りすべてを透明化しないとね。
《子》そうまでしないといけないって寂しい気がするけど、現状では仕方ないよね。私、政治の世界はある意味、日本の中で最も遅れてるって思うよ。とくに、自民党は世襲制議員が圧倒的に多いし、女性や若者の活躍場面が少ないように思える。男中心社会の見本みたい。古い、古い、昭和は古い(笑)。
《父》でも、国会は老いも若きも、当選10回も初当選も歳費は一緒って仕組みは悪くない。お金の面では、年功序列になっていない。政治経験は勿論、生活の知恵や幅広い知識が優先される社会なんだけど、それの個人的錬磨や全体への還元が見えてこないね。急速な社会環境の変化に応えられる仕組みが必要かもしれない。
《子》女性にとって小選挙区の戦いを思うと厳しい側面が強いけど、その分、比例代表選挙区があるからね。それにしては女性の登用が遅れているように見える。そろそろ女性首相の誕生を期待したいわ。
《爺》そうだね。こんどは実現する可能性があるって見られているね。公明党もかつて浜四津敏子さんが代表になられて活躍されたけど、このところパッとしないね。人材難って言われてるけど、女性も若手もどんどん使われないと、力を発揮する場面がない。この間の参院政倫審での竹谷とし子議員の質問なんかよかったよ。
《父》そうそう。彼女、公認会計士さんだよね。ただ、この間のNHKの国会討論会を見てて、野党から証人喚問への協力を求められて、石井啓一幹事長が「当事者がいる自民党が応じるか否か判断を待ちたい」としていた。〝苦しい逃げの姿勢〟に映ったね。ここは公明党がカギを握っているだけに「泣いて馬謖を切る」ことが求められる。
《爺》それはどうかなぁ。野党から与党に転じて20年余の自民党との連立政権を組んできて、ここで見放すだけの覚悟がないと、ねぇ。今まで、「改革」は「安定」あってこそ、と言い続けて自民党を心ならずも支えてきた場面も少なからずあっただけに、慎重な姿勢は評価できるかもしれないよ。色んな見方、考え方があるから。
《子》お爺さん、いつもと違って、歯切れが悪い(笑)。公明党がここでどう動くか、注目の的なんだから、しっかりして貰わないと、困るわぁ。
(2024-3-28 一部修正 つづく)