【161】関西エリアの食品小売市場を守るために━━AKR年次総会で挨拶/5-25

 先週末の24日に開かれたAKRの通常総会に、顧問の私は来賓として出席しました。大阪駅前のハービスプラザ5Fが会場です。AKRとは、出発時点での「オール小売連合」の頭文字をとった名称からも分かるように、もともと食品を中心にした小売市場の協同組合のことです。共同でモノを仕入れ、共同で配送し、共同で与信管理体制を維持するといったユニークな組織体です。大型スーパー全盛の状況の中で、苦戦する弱小市場を守りたいとの創業者(故河田正興専務理事)の意思に共感した私は、現職時代から20有余年もの間、顧問として関わってきました。コロナ禍のここ数年で更に痛手を被りながらも、近畿2府2県の43店舗が加盟しています◆この日の会合ではAKR の抱える課題のうち、「共同配送体制」がピンチに陥っている点について事務局から説明がありました。物流業界が「2024年問題」と言われるように、ドライバーの時間外労働の制限(年間960時間)によって深刻な輸送能力不足に直面しており、メーカー、卸、スーパー間でモノの動きが停滞、遅滞することが強く懸念されています。今回の法改正とドライバーの高齢化によって、モノが運びにくくなる状況にどう対応するか皆で知恵を出し合おうとの問題提起がなされました。また、食品スーパーとして、古い商い習慣から脱却する必要があるのは当然でしょう。同一地域におけるライバル企業同士でも荷物を一緒に運ぶといった、従来の常識や枠組みを超えた取り組みの研究なども大事なことだと思えました◆AKRの総会のあと、ベンダーさんやメーカーさんら「AKR協力会との意見交換会」が行われましたが、それに先立ち私は短い挨拶をしました。その内容は、以下の通りです。「先日テレビを見ていると、インドのモディ首相が国民から大層信頼を集めていて国民的人気が一段と高まっているって、報道されていました。その理由は14億人ともいわれ中国を追い抜き、世界一の人口を誇るような大国インドとして、最大の悩みであったトイレ不足がモディ首相の力によって解消したと言われていることです。翻って、日本の岸田首相はどうでしょう。自民党の派閥による政治資金集めパーティー問題で、裏金作りが問題視され、釈明に大わらわで、支持率は20%台を低迷するなど、その信頼度は地に落ちています。インドと日本の首相の違い、彼我の差は歴然としています。日本の政治家、特に自民党議員は私の見るところ、秘書や事務員を多く雇っており(1事務所20〜30人)、さながら小企業、零細企業の経営者なみです。人件費を稼ぐため、議員や秘書が日夜金集めに奔走するというのはどう考えても異常です。働き方改革を言うなら、まず自民党事務所から始めるべきでしょう」──大要こんな話をしました◆会合が終わって会場を移して、久方ぶりに懇親会が行われましたが、それに先立って、AKRが独自で進めるHACCPについての概略説明が戸ヶ崎恵一氏(近畿HACCP実践協会理事、AKR版HACCP適合認定委員会委員)からかいつまんでありました。明年の大阪万博を前に、食品を提供する現場すべての衛生管理が問われています。いち早く対応をするべく自前のチェック機能をシステム化したAKRがいかに先見の明があるかということが強調されました。参加者は大いに誇りを持ったはずだと思われます。その後、各部門の成績上位者を表彰する機会がありましたが、私はAKR 版HACCP適合認定委員会委員長として、表彰状を2人の部門代表に手渡しました。会場になった地下2階のLOVE TABLE は「いのちの恵みに感謝すること」「いのちを生かすこと」「未来を紡ぐこと」の3つ大事にするナチュラルオーガニックレストラン&カフェで、最高の料理を手頃な値段(のはず)でおもてなしいただき、大いに満足したしだいです。(2024-5-25)

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