【63】身勝手な解散総選挙への窮余の一策/1-15

 当面の国民的課題としての物価高に実効ある対策をすることが第一で、衆院解散総選挙など考えていないとしていた高市首相があっさり前言を翻した。また連立を組む維新の吉村共同代表も、〝諦め発言〟をしていた「大阪都構想」を三たび持ち出すといいだした。これまた有権者への「嘘つき行為」と言うほかない。この身勝手な解散総選挙に対抗すべく、公明党は立憲民主党との間で、新党も視野においた決死の対応を決断した。以下、緊急事態への私の率直な見方を提示してみた。

⚫︎「衆院解散」に「立公協力」━━非常識には非常手段で

 高市首相が衆院解散を検討するとした報道が飛び交った日の翌11日朝。NHK総合テレビの『党首に問う』とのインタビュー番組は生中継と録画の抱き合わせで、間が抜けていた。自民党総裁の高市早苗氏だけが、2日前の8日に収録した内容だったからである。衆院解散については、国会会期中に解散は考えているのかと問われて、「うーん解散ですか」と驚いた風を見せ、今は国民のみなさんに物価高対策などを実感していただくことが第一で、「目の前の課題に懸命に取り組むということだけです」と述べていたのである。一方、野田佳彦立憲民主党代表以下、野党党首たちは、総選挙になることを見越した発言をしていた。解散総選挙については「総理の嘘」が許されるとはいえ、あまりに露骨な食い違いだった。

 通常国会召集冒頭の衆院解散が既成事実化してしまったことを裏付けるかのように、13日には立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表が会談し、両党が選挙協力に向けて合意したことが報じられた。更に14日には、新党結成も視野に入れた選挙協力(統一比例区名簿作成など)案も浮上し、15日には新党結成への具体化に向けて動き出している。首相の強引な解散戦略に対抗する乾坤一擲の急ピッチの対抗策だといえよう。

 自公選挙協力から一転、立公選挙協力へ。「政治とカネ」にまつわる不見識で旧態依然とした自民党金権政治に鉄槌を加えようとする公明党と立憲民主党の必死の一手は、大いに注目されよう。手前勝手な高市自維政権に対する非常手段の奥の手である。

⚫︎「昨日の敵は今日の友」の必死の手段

 当初、立憲民主党が前のめり的であるのに比して、公明党の方はいささか違うように私的には思われた。衆議院選挙をめぐる「選挙協力」が公明党と立憲民主党との間で、直ちにできるかどうか心許ないと思われるからである。ついこの間まで、犬猿の仲というか、敵同士であった関係が、昨日の敵は今日の友とばかりに、急にうまく行くわけがない、とみた。政治家同士はともあれ、前線の公明党員たちは、立憲民主党については殆ど何も知らないのが実情である。

 そんな状況にあっても、選挙協力をしようというのは利に乏しいと言わざるを得ないと思われた。自立した党として自前の力で立ち向かわねばならない時に、真っ先に選挙協力を話し合うというのは、邪道ではないかいうのが常識的な見方と思えたからだ。ただし、国民生活を圧迫する物価高に喘ぎ続ける庶民の苦難をよそに、政治空白を生み出す総選挙をぶつけてきた非常識な高市首相になんとか一矢報いたいとの声はひきもきらない。庶民大衆の思いを代弁する窮余の一策が生まれる背景だった。

⚫︎両党の人間相互のオープンな議論を聞きたい

   選挙協力の準備と同時に急がれることは、両党がこの国をどういう方向に持っていこうとしているかの政権構想なり、それを下支えする政策の必要最小限のすり合わせであろうと思われる。自民党との間でもなかなか出来なかった国家ビジョンの構築だが、立憲との間での実現への具体化が望まれよう。

 例えば、両党のしかるべきメンバーがそれぞれのカウンターパート同士で議論をする場面が公開されるべきだと思われる。ユーチューブでいいから、幹部同士でも、候補者の間でも、若手代議士間でも、女性議員相互でも、出来るだけ大勢の議員が、野田氏がいう「(公明党とは)親和性がある」ことが立証されるべきであろう。かつて新進党結成の際に、打倒自民党の旗の下に多くの政治家が集まった。斉藤氏も野田氏もその中にいた。巡り巡っての再演だが、今度はうまく行くことを期待したい。(2026-1-15)

 

 

 

Leave a Comment

Filed under 未分類

Comments are closed.