ウクライナ情勢とロシアの読み取り方

今朝も爽やかな秋晴れ。空気を鼻から思いっきり吸い込んで吐き出した後、姫路城周辺を大きく二周(10キロ)ランニングした。気持ちいいこと夥しい。最高の気分である。ランニングはウインタースポーツなんだが、秋の空気がやはりランナーたり得ない私のようなジョガーにとってはいい。走るときはもっぱらラジオを聴くことにしている。お気に入りは、NHK第一の「ビジネス展望」だが、つい先日はエコノミストの吉崎達彦氏(双日総合研究所)がロシアのウラジオストックで現地の経済人と意見交換をしに行くとの話をしていた▼このなかで耳をそばだてたのは、プーチン大統領の世界戦略をなめてはならないとの趣旨の見立て。ソ連時代いらいの伝統的な、かの国の外交交渉術は一筋縄でいかぬ厄介かつ狡猾なものであることを見落とすな、というものだった。確かにソ連崩壊を機に、”だらしがないが人の良い”ロシア人気質のような印象(これはエリツィン元大統領の持っていた雰囲気の影響)が先行する傾向は否めず、ロシアくみやすしと見るムードがなかったわけではない。この辺りに左右されて今のロシアを甘く見てしまってはならないとの趣旨と受け取った▼確かにウクライナ情勢を見ていると、プーチンの手口,やり口は伝統的ロシアの凄腕ぶりを髣髴させ、気が重くなる。対するオバマ米国大統領のわかり易い素直な対応が気がかりだ。こんなことではいま再びの”米ソ対決”の冷戦時代ならぬ,新たな戦争の時代に突入しかねないように思われる、と。その後のクライナについては、つい先ごろ読んだ雑誌『世界』10月号の「ウクライナの安定へ  世界を動かす日本外交の役割とは何か」(西谷公明氏と東郷和彦氏の対談)が気になっている。東郷氏は佐藤優氏と同様に、あの「鈴木宗男問題」で官僚人生の大いなる転換を余儀なくされた人物だが、その外交論はやはり傾聴に値する▼この対談で東郷氏は「イデオロギーでロシアを指弾してウクライナ問題は解決するのか」と指摘し、「地政学の観点でウクライナを一緒につくっていこうと言えば、プーチンは乗ってきます」など、「ロシアをもう一度G8 に巻き込む」ことを強調している。同氏は「日本外交政策で世界を変えていくことができる」との確信を述べているが、言うは易く行うは難しい典型例だろう。そんなことをつらつらと考えながら走っていたら、昨今の聖教新聞の特集記事が脳裏に浮かんできた▼今年が池田大作SGI(創価学会インターナショナル)会長が1974年(昭和49年)9月に初めてロシアを訪問してから40周年という節目に当たる。文化外交という民間人としての行動がどれだけ大きな役割を国際社会の平和と安定にもたらすものか、いよいよ注目される時がきた。国際政治という視点からだけではなく、もっと大きな思想・哲学の面から日ロの関係や、世界における様々な問題を見なければならない。とりわけロシアや中国、韓国といった国々とは相互理解の交流が必要だ。池田SGI会長が壮大な展望のもとに営々として築いてこられた道。これからの10年をかけて自分もささやかながら、身の回りから訴えていこう、と思う。(2014・9・14)

Leave a Comment

Filed under 未分類

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です