“癒しの洞窟”と”和みの人間もどき”との出会い

先日梅雨の晴れ間をぬって姫路市最北部・安富町にある癒しの洞窟「富栖の里」に行ってきました。ここは日本唯一の坑道ラドン浴との触れ込みで、旧富栖鉱山(金鉱山)の坑道の跡を整備したもので、10年ほど前から一般に公開されています。ラドンガスとは、鉱石に含まれるラジウムが分解されて発生するものです。呼吸によって体内に吸収されると新陳代謝が活発になって、ホルミシス効果を発揮、健康増進に役立つと云われています。ここを経営しているのは、年来の友人である赤穂市の亀井義明氏です。私も何かと相談に乗させてもらっています▼この日は私が住む地域の自治会が小旅行をするというので、皆で相談してここを訪問先に選びました。16人の男女が姫路城のすぐ西からバスで揺られることちょうど一時間。人里離れた地に到着しました。まさに森林浴に適応すると云っていい林の中です。洞窟には幼き頃からの冒険の思い出が誰しも付きまとうはずです。ここはまさに癒される雰囲気いっぱいの洞窟でした。亀井さんたちは、ここを西の秋田・玉川温泉のような一大健康保養地にしていきたいと思ってるようですが、まだまだ知られていません。交通の便の悪さや、温泉ではないことや宿泊施設がないことなどがその弱点にあげられるようですが、ある意味真逆に、だからこそ未開の神秘性の魅力があると云え、将来性が期待されています▼この日は一時間半の体験コースを利用しました。洞窟内の簡易ベッドに横たわっていると、かすかなバックミュージックが心底から和ませてくれました。一日こういうところにいると、さぞかしいいだろうな、と思ったものですがそういうわけにもいきません。後ろ髪ひかれながら、洞窟を後にしました。ここからバスで10分たらず北上すると、「鹿ヶ壺」というこれまた森林浴にぴったりの場所があります。昨年の大河ドラマ「軍師官兵衛」のロケ地にも選ばれたところです。ここは、御多分に漏れず過疎で悩まされていますが、それを跳ね返すべく地元有志の皆さんの発案で人間にそっくりの案山子が何体も点在しています。思わず声をかけてしまうような精巧な作りで、案山子というのが憚られるほどの立派な出来具合です。まさに”人間もどき”です▼今回の旅を通じて、二つのことに着目しています。一つは、高線量の被ばくは人体に悪影響が及ぼされますが、むしろ微量放射線被ばくでは健康増進効果(放射線ホルミシス)があるということです。富栖の里ではしばしば中村仁信大阪大学名誉教授ら研究者、専門家を招き講演会をしています。この人は、国内におけるホルミシス療法の正しい啓蒙と普及を目的とした一般社団法人「日本放射線ホルミシス協会」を設立し、活躍されています。私もお話を聞くたびに啓発されます。二つは、安富町のような過疎の地を、いわゆる限界集落からやがて壊滅させないために、官民あげての知恵の結集が必要だということです。かつてバブル期の頃、安富町の奥まった高台に多くの人が豊かな別荘地建設を夢見ました。しかし今ではすっかり寂れてしまっています。こうしたところを、再開発して姫路の街中に住む人々に何らかの形で開放できないものか、と思います。いったん市が買い上げて、それを自治会ごとに貸し与えて季節に応じて使用するといったことがあれば、郡部と市街地の交流になります。これこそ新たな双方の発展に繋がると思うのですがどうでしょうか。(2015・6・21)

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