先月29日から31日まで、久しぶりに上京しました。ここでは、4つの出会い(四幕)を軸に時系列順に概括的に報告します。まず第一幕は29日の正午から午後2時まで衆議院議長公邸で開かれた前議員会懇親会での語らいからです。50名ほどの前議員が集まってきていましたが、新しくこの会の会長に就かれた伊吹文明元議長に真っ先にお祝いの言葉をおかけしました。この人とは現役時代に衆議院財務金融委員会で欧米への訪問をご一緒にして以来、懇意にしていただきました。先に読売新聞紙上に掲載された回想記をまとめられた『保守の旅路』の出版について感想を述べさせていただくと共に、隣席におられた大島理森元議長にも声をかけさせていただきました。つい先日毎日新聞夕刊紙上での我が公明党の仲間・漆原良夫氏との対談について、「読みましたよ。面白かったですね」と。こうしたご挨拶のあと、元民主党政権の閣僚(T総務相、J 財務相)たちと、政治改革への議論に始まり、政治展望を巡っての核心に迫る議論をしました。さらに公明党の池坊保子さんには、娘さんの池坊専好氏のKUAS(京都先端科学大学)セミナーで私が受講した講演がいかに素晴らしいものであったかを伝えました。他に春の褒賞での公明党からの〝たったひとりの受賞者〟とも種々懇談しました◆第二幕はこの日の夜。我が党の理論誌『公明』の編集部3人と新宿で会食懇談会を3時間ぶっ通しでやりました。かつて私はこの理論誌の副部長をしていたので、人一倍の愛着があります。後輩たちの日頃の労苦をねぎらうと共に様々の意見交換をしました。事前に同誌4-6月号を熟読した上で、私なりの議論を後輩たちにふっかけてみたのです。特に、5月号の『作家高知東生さんと考える「リカバリー文化の定着で再挑戦できる社会に」』との8頁にわたる「弱者をめぐる論考」については、私の形式的な注文に対して、「もっと中身を咀嚼してから指摘してほしい」との手厳しい反論にあいました。激論の末、私の「改めて読み直すよ」という弁明でケリをつけましたが、危うく〝手負いの獅子〟になるところでした。「編集後記」の充実とか、編集企画全体の狙いを読者にわかってもらうための紙面工夫などアイディアを披歴したことについては、大いに手応えを感じたしだいです。楽しくも嬉しい〝番外編集会議〟でした◆第三幕は翌30日の朝。このたびの拙著『ふれあう読書──私の縁した百人一冊』(出雲出版)の上梓にあたり、徹底して裏支えをしてくれた慶應義塾同級の畏友・尾上晴久君との懇談です。彼はこの上巻で私が取り上げた50人をめぐる論評について、入念な吟味、チェックをしてくれました。有難いことでした。しかも出版後に仲のいいクラスメイト10人に一人づつアポを取って会いに行き、拙著を贈呈し、内容紹介までしてくれたのです。それぞれ2-3時間をかけての懇談はさぞ楽しかったと見え、克明に彼らの近況やら対談結果を報告してくれました。しみじみと持つべきは友、と感謝・感激した次第です。この日午後には遅れて上京してきた我が妻とも合流して、豊洲の「千客万来」へ「ゆりかもめ」で足を運び、飛び切り美味しいお鮨をご馳走になりました。出版祝いだと言って。お世話になったのはこちらなのに。涙が出るほど嬉しいひとときでした◆第四幕は、30日夜の新大久保での桐蔭横浜大学の阿部憲仁教授夫妻との会食懇談会です。この人とは、財団法人「日本熊森協会」のご縁で現役時代に知遇を得て以来、長い付き合いになります。その昔、私の衆議院選挙の応援に姫路まで駆けつけて演説会の応援弁士までやって貰いました。今回の拙著にも登場していただいていますが、新たに『凶悪犯 プロファイル──幼少期の家庭環境から読み解く』を出版されたばかり。常日頃、刑務所に行って凶悪犯罪者と面接をして、学問研究の取材に役立てたり、彼らの更生へのサポートをされています。この日は私ども夫婦と4人で昔話をしたりする中で、「人格形成は3歳までの家庭環境にある」との持論をお聞きしました。妻共々、大いに共感しました。以上2日間4幕5場の語らいで、今年中盤から後半戦への英気を養って、充足感を得たしだいです。(2024-6-2 修正)
【161】関西エリアの食品小売市場を守るために━━AKR年次総会で挨拶/5-25
先週末の24日に開かれたAKRの通常総会に、顧問の私は来賓として出席しました。大阪駅前のハービスプラザ5Fが会場です。AKRとは、出発時点での「オール小売連合」の頭文字をとった名称からも分かるように、もともと食品を中心にした小売市場の協同組合のことです。共同でモノを仕入れ、共同で配送し、共同で与信管理体制を維持するといったユニークな組織体です。大型スーパー全盛の状況の中で、苦戦する弱小市場を守りたいとの創業者(故河田正興専務理事)の意思に共感した私は、現職時代から20有余年もの間、顧問として関わってきました。コロナ禍のここ数年で更に痛手を被りながらも、近畿2府2県の43店舗が加盟しています◆この日の会合ではAKR の抱える課題のうち、「共同配送体制」がピンチに陥っている点について事務局から説明がありました。物流業界が「2024年問題」と言われるように、ドライバーの時間外労働の制限(年間960時間)によって深刻な輸送能力不足に直面しており、メーカー、卸、スーパー間でモノの動きが停滞、遅滞することが強く懸念されています。今回の法改正とドライバーの高齢化によって、モノが運びにくくなる状況にどう対応するか皆で知恵を出し合おうとの問題提起がなされました。また、食品スーパーとして、古い商い習慣から脱却する必要があるのは当然でしょう。同一地域におけるライバル企業同士でも荷物を一緒に運ぶといった、従来の常識や枠組みを超えた取り組みの研究なども大事なことだと思えました◆AKRの総会のあと、ベンダーさんやメーカーさんら「AKR協力会との意見交換会」が行われましたが、それに先立ち私は短い挨拶をしました。その内容は、以下の通りです。「先日テレビを見ていると、インドのモディ首相が国民から大層信頼を集めていて国民的人気が一段と高まっているって、報道されていました。その理由は14億人ともいわれ中国を追い抜き、世界一の人口を誇るような大国インドとして、最大の悩みであったトイレ不足がモディ首相の力によって解消したと言われていることです。翻って、日本の岸田首相はどうでしょう。自民党の派閥による政治資金集めパーティー問題で、裏金作りが問題視され、釈明に大わらわで、支持率は20%台を低迷するなど、その信頼度は地に落ちています。インドと日本の首相の違い、彼我の差は歴然としています。日本の政治家、特に自民党議員は私の見るところ、秘書や事務員を多く雇っており(1事務所20〜30人)、さながら小企業、零細企業の経営者なみです。人件費を稼ぐため、議員や秘書が日夜金集めに奔走するというのはどう考えても異常です。働き方改革を言うなら、まず自民党事務所から始めるべきでしょう」──大要こんな話をしました◆会合が終わって会場を移して、久方ぶりに懇親会が行われましたが、それに先立って、AKRが独自で進めるHACCPについての概略説明が戸ヶ崎恵一氏(近畿HACCP実践協会理事、AKR版HACCP適合認定委員会委員)からかいつまんでありました。明年の大阪万博を前に、食品を提供する現場すべての衛生管理が問われています。いち早く対応をするべく自前のチェック機能をシステム化したAKRがいかに先見の明があるかということが強調されました。参加者は大いに誇りを持ったはずだと思われます。その後、各部門の成績上位者を表彰する機会がありましたが、私はAKR 版HACCP適合認定委員会委員長として、表彰状を2人の部門代表に手渡しました。会場になった地下2階のLOVE TABLE は「いのちの恵みに感謝すること」「いのちを生かすこと」「未来を紡ぐこと」の3つ大事にするナチュラルオーガニックレストラン&カフェで、最高の料理を手頃な値段(のはず)でおもてなしいただき、大いに満足したしだいです。(2024-5-25)
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【160】政治資金規正法改正での〝自公分裂〟の妙味/5-18
ようやく来週から衆議院政治改革特別委員会での政治資金規正法改正をめぐる審議が始まる見通しとなりました。これまで自民党が自らの法案を出し遅れ、公明党の案をベースにして、自公統一の与党法案を作る流れだったものが壊れてしまい、それぞれ別の動きをすることになったのです。これをどう見るべきでしょうか。与党としての結束が緩んだとして悲観的に見るか。それとも、自民党に合わせてばかりいず、独自の姿勢をさらに打ち出せるいいチャンスと見るか。これまで与党一本化が当たり前だったのが、異例の分裂です。これまで私は、公明党が「政治の安定」を優先するあまり、「政治の改革」を後回しにしてきた側面を指摘し、方向転換を強く提起してきました。その立場からは歓迎すべき事態だと思います。これはカネと政治にまつわる問題ゆえに、いい加減な妥協ができない特殊なケースなのか。それとも連立政権の有り様に大きな変化が起きる兆しなのか。経緯と現状を追いつつ、未来予測を試みてみましょう◆この法案については、自公それぞれの考え方を提示した上で、5月9日に大筋取りまとめました。収支報告書のオンライン提出を始め、インターネット上での公開、外部監査の導入、第三者機関の活用などについては明確に一致をみました。ですが、政治資金パーティ券購入者の公開基準額については「5万円超」への引き下げを主張する公明党と、「10万円超」とすべきだとする自民党との間で折り合いがつきませんでした。また、政策活動費についても、自民党は「組織活動費」「選挙関係費」など大まかな使用目的のみを収支報告書に記載するものとした案を提示しましたが、明確に使途を明らかに記載すべきだとする公明党との間で合意にいたりませんでした。14日には自公党首間で、こうした不一致点はあっても与党両党として一本化することを確認しあったのですが、現場担当者の詰めの作業で合意が叶わず、結局自民党は単独で法案を出す方向になったのです◆公明党としては、最終的に与野党の幅広い合意を得ることが大事であるとして、法案化作業と野党の意見聴取を同時並行でやる構えを見せていました。それが、与党内でまとまらず、頓挫したことは今後の調整の難しさをあらためて露呈したことになります。また、政策活動費については、公明党は、政党から所属議員個人にお金を出すことは一切行っていません。他党のように、党幹部に支出する政策活動費とは明確に違うのです。つまり、公明党の収支報告書にある政策活動費は、全て政務調査会の政策を作るための活動のためのもので、従来から明細を全て公表しているのです。一部報道機関(フジテレビ)がここを勘違いして、誤って報じたものを公明党の指摘で、改めて間違いを認め謝罪したのは周知の通りです◆来週からの実質審議の中で、現実的にはどうなっていくのでしょうか。公明党は自前の案を出せば、自民党とのスタンスの違いがハッキリし過ぎるとして、独自案は出さないようです。連立関係を損なってまで自前の案にこだわらないとの姿勢を明確にしたものでしょう。報道によると、ある自民党幹部が「自民党案に公明党が反対すれば連立が成り立たない」とした上で、「公明党に自民党の支援なしで当選する人はいるのか」と選挙支援を絡めて、牽制しているといいます。仮にもしそういう態度が自民党の大勢なら、公明党のみならず国民の反発を招くことになることは必至だと思われます。現在の時点でも自民と野党の溝は大きく隔たっています。それを間に立って調整して合意を得ようとする公明党を遠ざけて、強引に突き進めば、自公関係の破綻に行き着きかねません。公明党はここで自民党の歩み寄りを求めつつ、野党との合意に汗をかく必要があります。与党一本化ができないことで、かえって自民党と同じ穴のむじなではないことが明確になりました。与野党の間に立って、中道政党の真骨頂を発揮するチャンスだと思われます。(2024-5-18)
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【159】襲い来る大災害への挑戦━━作家・高嶋哲夫氏の労作から/5-11
『チェーン・ディザスターズ』──「波状的に襲いきたる大災害」とでも訳せばいいのか。小説家・高嶋哲夫さんの近く出る予定の新刊本である。「南海トラフ巨大地震」がもし起こったらどうなるか。それを生々しいタッチで描く。壮大で精緻な想像力を駆使した、恐ろしいまでの近未来小説(202×年)である。この人は、デビューから30年ほどの間に次々と大災害の発生を予告し、我々市民に警告する小説を書き上げ、多くの読者を震えさせてきた。この度の本はこれまでの集大成といえ、例え方は稚拙だが、あたかも正月とお盆、夏祭りと秋祭りとが一緒にきたような騒ぎを描く。正確な対応を急がねば、日本はまさにこの本に描かれているように、奈落の底に陥るに違いない◆GW最後の6日のこと。彼の神戸市垂水区の高台にある事務所に、ファンであり、読書仲間でもある男女5人が集まった。この本をめぐる宣伝戦略を口実に。さて、本の概略を紹介する。この小説は、いきなり東海地震と東南海地震が同時に起こり、時の環境大臣・早乙女未来が総理官邸からヘリで横浜、小田原上空を飛ぶ場面から幕を開ける。以後、南海トラフ大地震・大災害へと矢継ぎ早に繋がる。悲劇の舞台は、「半割れ」の発生で、四国・高知へと移り飛び南海地震へと続く。さらに東京直下型地震が容赦なく発生。被災地域は大きく広がり、太平洋側は驚天動地の大騒ぎに。そこへ大型台風が直撃。豪雨で、荒川の氾濫を招く。さらに富士山までが大噴火を起こす。噴煙やら砂岩粉が東京を襲い、不可避的に「首都移転」が緊急課題になっていく。この間、次々と閣僚が大災害の犠牲になり、死や重傷を負う混乱に。そんな中、当選回数も年齢も未だ若い女性環境大臣が活躍。防災大臣に抜擢され、そして‥‥という風に展開していく。その背景には、民間IT企業のCEO・利根崎高志による災害援助ソフト「エイド」の縦横無尽の活躍があった◆こう書いてきて、高嶋さんの災害ものの作品が全てここに顔を出していることに気づく。『M8』『TSUNAMI』『東京大洪水』『首都崩壊』『富士山噴火』『首都移転』といった作品群がほぼ全部この小説に出てくるのだ。彼の未来予測と想像力の非凡さは、コロナ禍を連想させた『首都汚染』をあげるだけで十分。それだけでたまげた私など、こうした災害のチェーンぶりを見せつけられると、ただただ唖然とするしかない。高嶋さんはこの懇談たけなわの場で、大きな災害や事件が起こった際に、それを一般市民に報道する立場の新聞記者たちの姿勢をどう思うかとの質問を私に投げかけてきた。科学的知見も疎かな上に、歴史から学ぼうとする姿勢にも乏しいというのだ◆彼はコロナ禍にあっての報道の有り様に大いなる疑問を持った。日々眼前に現れた数字は科学の目から見て正しいのか?立場により、統計によって見方は変わっていないか?忖度は含まれていないのか?と。日頃の鬱憤が堰を切るように繰り出された。事実をできる限り正確に、客観的に伝えるという記者の本分が活かされていないことに疑念を持ったに違いない。忖度も偏向もない客観的事実こそ今求められていると強調した。私は黙って聞くしかなかった。これ以上の「奇」はないぐらいの小説を書いた作家の心底からの怒りと苛立ち。作られた「事実」を疑う姿が印象深い。「事実は小説より奇なり」との警句が耳元で響く。(2024-5-11)
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【158】低支持率の中の不思議な「安定」の謎━━「憲法記念日」に考える/5-4
4-28の衆議院3補選の結果は、立憲民主党の完勝に終わりました。自民党が候補者を擁立したのは、島根1区だけで、東京15区も、長崎3区も候補者を立てずに不戦敗でした。この選挙が終わって約一週間、ここでは選挙結果を概括すると共に、77年目の憲法記念日(3日)を迎えた今のこの国に漂う空気を読んでみたいと思います。それは、一言でいえば、低支持率で危うい政権のくせに、奇妙な「安定」状況にあるということです◆まず、自民党以外の主要政党の現状を見てみましょう。立憲民主党は全勝ですので、勝利感は当然でしょう。ただ、維新との野党内主導権争いに勝ったものの、この結果が次の機会にも続くとは言い難く、10年ほど前の政権運営のまずさの記憶は未だ多くの国民に根強く残っています。まして、3選挙区とも自民党現職のしでかした失敗の傷跡癒えぬ状況下のものでしたから、勝って当然とも言えました。維新は結局大阪を中心にした地方政党だとの印象が一段と濃いように見えます。公明党は島根では自民党候補を推薦したため、金権政治批判をモロに被って大変でした。支持者は共産党の動きに敏感ですから、立憲の背後にその影を見ることで、矛盾する思いを抑え込んだのかもしれません◆ところで、3選挙区ともに投票率が極めて低かったことは、深刻です。政治とカネの問題で人々の関心が選挙に向かわず、政治不信を高めただけに終わるのは民主主義にとって致命的な問題といえましょう。選挙への関心を高めるには、どうしたらいいのでしょうか。いま、政治家の質を高めるために、魅力ある政治家を輩出するべく、事前に世間常識を試したり、人間性を試す各種の試験導入を図ったらどうかなどという〝奇妙な提案〟から、政治家にカネをかけさせないようにするために、秘書の数を公的に制限するといった〝奇天烈な着想〟に至るまで、巷の言説空間では様々な「政治家選抜構想」が飛び交っています。更にもっと極端なものとして、投票所に足を運ばずにAIを使って各人の意思を表示する道を選択するか、それとも選挙そのものを廃止して、くじ引きで政治家を選ぶという極端な手法しかないのかもしれないとの声まであります。このうち、くじ引きについては、より公平さが保たれるとして諸外国では、地方議会レベルでの政策決定の仕組みに導入され始めているようです◆ただ、政治に有権者の関心を引き寄せるには、私は、かつてのように「与野党伯仲状況」をもたらすことが手っ取り早いと思います。そのカギを握るのは「憲法」をめぐる議論と「公明党の存在」です。5月3日の憲法記念日の各種論考の中で注目されたのは境家史郎東大大学院教授の発言でしょう。この人は「これほどの低支持率で岸田政権が続いていること自体、1党優位の55年体制的といえる」とした上で、「(憲法の)条文と現実の乖離が放置され、与野党の主要争点として構造的に残る限り、自民党1党優位の『55年体制』的なシステムは変わらないだろう」(毎日新聞5-3付け)と重ねて指摘しています。こんな低支持率の首相にもかかわらず、その座を奪われないでいられるのは、憲法9条が争点化され、野党が分断されているからだというのです◆しかし、自公2党による政権なのに、1党優位として『55年体制』との類似性にこじつける、この見方には事実誤認があり、私には納得がいきません。実は公明党は改憲には積極的ですが、9条改正に反対なのです。つまり9条の争点化には否定的なのです。この流れを強くすること(政権離脱や自民党分断の動き)で、私は日本の政治の奇妙な安定が崩れて、新たな政治に向けて動き出す可能性が一気に高まると予測しています。それを阻んでいるのは、「政治を不安定にしたくない」という公明党の奇妙なまでの真面目さゆえなのだと、私には思われてなりません。(2024-5-4 一部修正)
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【157】生き生きワクワク、大自然と共に━━「日本熊森協会」の全国大会から/4-25
熊による人身事故が多発している状況の中で、環境省はこのほど熊を「指定管理鳥獣」にしました。これによって、熊を捕獲する自治体のために国による財政的支援が講じられるなどの様々な施策が予測されます。これについては、生物環境学研究家の宮澤正義氏(日本熊森協会顧問)が「クマをシンボルに日本の水源の森を保全・再生しようという熊森協会の27年にわたる大変な努力を無駄にしてしまいかねない暴挙だ」とした上で、「野生動物たちが生きるために人間の生活圏に出ていかざるを得なくなった彼らを駆除することに、環境省は予算をつけて推進する。環境省の人たちは、生態系とは何か、日本も批准した生物多様性条約とは何かがわかっているのか。この国に環境庁が作られた理由、庁から省への格上げの狙いさえわかっていないのではないか。無念です」との痛烈な批判をされています◆毎年5月のGW前に開かれる「くまもり全国大会」も今年は27回目。「クマ保全未曾有の危機、だからこそ集まろう!」とのキャッチコピーのもとに尼崎市のホテルで開催され、私も参加してきました。これには北海道から九州まで全国各地から多数の会員が集まりました。オープニングでは、CMソングの女王と言われる特別ゲストのミネハハさんが「いのちの森」や「ありがとう地球」を熱唱してくれました。この人は今回の出演を契機に、今後、地球を守る歌を唄う歌手へと大いなる方向転換をすると表明されていますが、生命を揺さぶる大声量に私は心底から感動しました。休憩時に会場でCDを2枚も買ったことでいかに私が感激したかがお分かりいただけるかと思います。また、北海道、秋田、青森、山口などの支部長らは生き生きとした活動報告を展開。聞くものはワクワクさせられました。中でも手製の熊防御杖を持参した我満嘉明地区長の臨場感溢れるお話は、熊との共生を実感させてくれる貴重なものでした◆大会では、現場からの報告の一方、室谷悠子会長の基調報告など本部を中心にした様々な動きが紹介されました。その中でクマをめぐる環境が厳しくなる今だからこそ、ピンチをチャンスに変える好機と捉えて、力を合わせて立ちあがろうと強調されたのが印象的でした。昆虫学者の主原健司顧問は、この日配布された『顧問からの手紙』に、前述の宮澤さんと共に、「クマの異常出没に気候温暖化が関係していることを述べる報道は皆無でした」と振り返ると共に、「温暖化により寒冷な気候帯に生息している種の多くは適応できずに衰退している」との生物全体が直面する課題について大きな懸念を表明。クマを有害動物だとして駆除し続けても根本的な解決には至らないとの警鐘を乱打していましたが、会場でもユーモアを交えて挨拶、新たなる感動を呼び起こしていました◆毎年度この大会の恒例になってしまった私の「終わりの言葉」──今年は以下の通りです。《2年前に始まった「ウクライナとロシアの戦争」が依然として続いている上に、昨年10月からのパレスチナでのイスラエルとの「報復の連鎖」が付け加わってしまいました。人類にとって一段と深刻な事態です。一方、日本では、人間同士ではなく、大型動物・熊との戦いが話題になったり、つい先程、伊豆南方沖で海上自衛隊が実戦中でなく、訓練中に墜落事故をまたも起こすなど、「一見平和といえる異様な事態」が現出しています。こんな日本だからこそ、真に平和を維持し、自然との共生を日々実践する、「熊森協会」の使命がある》──と強調しました◆全国大会終了後に、本部役員と顧問、支部長に加えて、初参加の石川県の会員の代表らを交えて、2時間にわたり今後の課題を話し合いました。私はその場で名誉会長、会長始め、リーダーがほぼ全て女性である熊森協会の独自性を評価。「男中心社会の悪弊」が噴出する日本の今である故、同協会こそ地平を切り開ける可能性を持った実践環境保護団体であると指摘する一方、その自覚を強調しました。これはかねて私の持論ではありますが、男性からは異論があろうかと思います。(そのあたりはまたの機会に論じたいと思います。)懇談のあと、かつて徳島県の旧木頭村の村長として、細川内ダムを阻止に導いた藤田恵顧問(神戸市在住)と帰路をご一緒しました。車中のやりとりを通じて、自然破壊を止める旗手「熊森協会」への熱い心意気を感じました。(2024-4-25)
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【156】大地震対応への伝承不足に懸念━━兵庫県斎藤元防災監囲む懇談会から/4-20
能登半島を襲った大地震で明けた本年も、桜の季節が足早に去ろうとしています。18日の朝も四国南西部で起きた震度6弱の地震のニュースが気になりました。実は私が所属する異業種交流会は2つありますが、そのうちの1つ「山荷葉会」(仮称)が16日夜に開かれ、冒頭、地震をテーマに学習した後、9人で意見交換をしました。メンバー内最長老の斎藤富雄元兵庫県副知事は、県初代の防災監であったことから、この日の講師を務められて有意義な話を聞くことができました。結論は、1995年の阪神淡路大震災の教訓が能登地震に生かされていない、という聞き捨てできない指摘でした◆この30年は、文字通り「大災害の時代」と呼号されるように、大地震が続発してきました。斎藤さんは、この日のために、阪神淡路、東日本(2011)、熊本(2016)、能登の4つの主な地震災害の概要をまとめ、その資料をもとにあれこれと「気づき」を述べられました。そのうち私には、今回の能登半島地震についての対応がシステマチックに行われてない感がし、石川県内の行政の対応が遅くバラバラであるように思われ、創造的復興への懸念があり、地震体験伝承の危機だとの視点が気になりました。昨今の岸田首相の政治姿勢は、自民党の派閥による政治資金パーティー開催での裏金作りの不始末対応におおわらわで、能登地震への対応は二の次とみえてしまいます◆4つの大地震うち、初めの2つは共に非自民党政権下に起こったものですが、後の2つは自公政権下。しかも、発災当時の首相は安倍、岸田の2人ですが、国交大臣は、石井、斎藤の公明党の仲間です。かつて、阪神淡路大震災の直後の予算委員会で赤羽和嘉氏(前国交大臣)が「天災じゃない、人災だ」と叫んだ声が未だに耳朶に残っています。公明党の頑張りが大いに期待されることを痛感しました。30年の節目を前に、大震災への国、地方自治体の対応の仕組みを点検することや、円滑に地元、近隣自治体が役割分担して早急に復興していくロードマップ作成と血肉化が求められると思うことしきりでした◆このあと、異業種交流会では「人生の転機」をめぐって、それぞれの思いを語り合いました。斎藤さんが、県職員としてのある先輩がいかに自身の来し方に影響を与えてくれたかを語られたこと、神戸新聞の高士薫元社長(現相談役)が、新聞編集の現場を離れた今、自由な立場であらためてものを書きたいと言われたことの二つが強く印象に残りました。私自身は「没我の状態、つまり夢中になる時間をどう作るかが、人生晩年の転機になる。という趣旨の話をしました。具体的には「今、『ふれあう読書──私の縁した百人一冊』という本を作っており、その作業に熱中している」と、紹介したしだいです。帰り道は、雷鳴と雹を伴う猛烈な集中豪雨。異常気象の仕業と思わせる、「大災害の前触れ」を連想してしまうような事態に直面したのです。我と我らが行く道の「前途多難」を想起させられました。(2024-4-20)
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【155】〝高揚した気分〟とは裏腹に漂う暗雲━━「岸田訪米」を巡って思うこと/4-14
岸田首相の今回の訪米における所作振る舞いには、国内での国会におけるそれとの差の大きさに驚きました。まずは、米国議会における演説の場面で、まったく原稿に目を落とさずに英語でスピーチしていたことです。これは正直呆れました。原稿を棒読みするだけの、日本の国会での様子とは別人のようだったからです。次に、レセプションでの冒頭の挨拶で、大勢の著名なゲストが招かれていたことを、夫人の言葉として「誰が主賓なのか分からないわね」と紹介したのち、「大統領の臨席に案内されて(自分が主賓と分かって)ホッとした」とやって、場内の爆笑を誘っていたことです。ユーモア溢れた出だしでした。自民党の派閥による政治資金パーティの裏金作りをめぐる国会での追及などどこ吹く風も、宜なるかなの〝強心臓ぶり〟は見上げたものだと思ったものです◆安倍晋三元首相の9年前と同様の「国賓待遇」を受けて、高揚する気分を背景にした議会演説など一連の岸田首相の発信は、全文を読むにつけ逆に疑念が高まります。というのは、「米国はひとりではありません。日本は米国と共にあります」」といった表現に見られるように、パートナーとしての日本を自負していることへの裏付けの欠如です。「日米同盟の絆」については、「安保法制」や「国家安全保障戦略の改定」から、つい先ほどの「防衛装備の移転(防衛兵器の輸出)」など、近年のいくつかの法改正や仕組みの変更など、かつてとは様変わりの様相を示しています。しかし、これらの実態は薄氷を踏んだ末に得たもので、決して幅広い国民合意を得た結果のような強固なものではないのです。国内パートナーの公明党との間ですら、完全な合意に基づくものではありません。「玉虫色決着」です。早晩実態が露わになると、馬脚を表しかねない代物だと思われます。それは、「大局観に立った国家的自己決定能力を見失った感がある」と故・五百旗頭真さん(元防衛大学校長)に評された占領期の状況から殆ど脱却したとは見えない現実が続いている(米軍基地の実態)からです◆また、米国・バイデン民主党政権もその国内基盤の脆弱さは特段に厳しさを増していると言わざるを得ません。トランプ前大統領が仮にこの秋の選挙に勝利を得るようなことが起これば、安全保障分野に限っても、立ちどころに局面の転換が必至になります。それは、ウクライナやガザをめぐる戦争の対応だけでなく、日欧韓など同盟国との関係を根本的に揺るがしかねない事態が待ち受けていると見られるからです。「既存の枠にはまらないトランプ氏が復権すれば、ハシゴを外されるリスクもある」(毎日新聞4-12付け)との見立てが横溢しつつある状況下での両首脳の語らいは、大雨予報前夜の桜の下での宴会のように、明日知れぬ儚さと隣り合わせのものだったと言うほかないのです◆さて帰国後の岸田首相を待ち受ける日本国内の課題のうち最も注目されるのは、政治資金規正法の改正をめぐる議論の成り行きです。首相は訪米前に、「議員本人に対する罰則の強化」「政治資金収支報告書のデジタル化と監査強化」などの検討を作業チームに指示したと伝えられているものの、未だに党としての具体案はまとまっていません。明日からの週における公明党との協議の場で、どうするつもりなのでしょうか。この煮え切らぬ自民党の態度の背景には、裏金事件の実態解明と規正法の改正とを同時並行で進めようとする野党の狙いをかわしたいとする思惑が潜んでいるように思われます。11日の衆院、12日の参院と相次いで設置された政治改革特別委員会の場での議論が空回りする可能性が大きいことが懸念されます。そうならぬよう、自民党の尻を叩き、国民大衆に対して明確に説明ができるように、まずは与党内合意を得る対応が公明党に求められます。キャスティングボードを握る公明党の出番です。(2024-4-14)
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【154】モノ作りへの侮蔑発言に大いなる失望━━川勝静岡県知事発言に思う/4-6
「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりということと違って、みなさんは、頭脳、知性の高い方です」──川勝平太静岡県知事の新規採用の県職員を前にした発言を聞いて、我が耳を疑った人は多いに違いない。4月1日「エイプリルフールの日」の発言ゆえ、この後に直ぐ「な〜んてことはありません。県の職員は、モノ作りの現場で従事する人を大事にして欲しい」と続けて、ユーモアたっぷりに締め括っていれば、知事株は上昇したかもしれない。しかし、多くの静岡県民は、「ああ、知事がまたやった」とその放言癖にうんざりしたようだ。それを知らない県外の人たちは、この人の頭脳、知性いや感性も相当に異常だと思ったに違いない◆過去におけるこの人の問題発言を報道機関がまとめたものを見ると、誤解を恐れずではなく、恐れながら言うのだが、面白いものが多い。つまり、普通は思ってても言わないことを、はっきりいう人なのである、と。例えば、県議について「ヤクザもいる」「ごろつきもいる」(2019年12月)などはそのたぐいだろう。また、4年前に国中が大騒ぎになった日本学術会議をめぐる任命拒否問題で、当時の首相に対して「教養レベルが図らずも露見した。学問をされた人じゃない」などには、密かに拍手喝采した人も少なくなかったかもしれない。言い方は露骨だが、立場によって支持を受ける側面が否定できない、ものいいだといえるからだ◆しかし、当選を重ねるに従って、この人の発言は、程度が落ちてくる。同じ県内の市を比較して、片方を褒めるために結果的にもう一方を貶めるという手法をとっていく。例えば、2021年10月の参院補選の浜松市での応援演説で、「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。飯だけ食って、農業だと思ってる」とか、磐田市に本拠をおく女子サッカーチームが県庁を訪れた際に、「磐田は文化(水準)が高い。浜松より元々高かった」(20243月)などといった具合に。この傾向は、一面の真実はあるのだろうが、大人気ない。自分の選挙区内の市を比較するのは、親が子を比べてあれこれ言うのに似て愛情の発露だからとは、誰も思わないに違いないからだ◆そこへ今回の事態である。これまでの発言では、報道による誤解だと抗弁した後に、謝罪して発言撤回することが常であったようだが、今回のは弁解の余地はない。「職業の違いを説明したものだ」との言い訳から「職業差別はしてはならない。削除して撤回します」と語る一方、6月議会で退任を明らかにした。後の祭りだ。私は、リニアモーターカーに反対するこの知事の自然保護の姿勢に賛同していた。大勢が劣勢な中で、どう妥協点を見出し政治的決断を見出すかに注目していたが、このたびの発言及びその後の対応を見ていて、大いなる失望を禁じ得ない。学問の分野でそれなりの足跡を残した人だとリスペクトしてきた私を含む多くの人々に、「申し訳ない」ではなく「恥ずかしい」と言ってほしい。政治家としては敗者になったが、人としての復活を望む。(2024-4-6)
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【153】架空鼎談『この政治の惨状の背景』(下)━━公明党の役回りを考える/3-30
《爺》現在の政治状況を見てると、岸田首相は次の衆院総選挙での過半数割れになる事態を防ぎたい一心だろうね。株価や賃金上昇といった経済や暮らしむきがそれなりに回復傾向を見せているし、今のところ党内は岸田さんにとって代ろうなんて動きはない。この事態、国民有権者はもう呆れ果てて声もでないのかもしれん。
《父》富裕層には自民党のゴタゴタは直接関係ないんだろうね。今の自民党は昔の「三角大福中」などといった実力者が不在だし、若手もかつての派閥の領袖や大物政治家の子や孫の世代ばかりで、実力も乏しいし、迫力もない。じゃあ、野党は?といっても、貧富の差が激しくなっているのに、貧者の味方になっていない。
《爺》いや、そう決めつけずとも。立憲民主の野田佳彦元首相の演説や質問なんか中々だよ。彼にもう一度チャンス与えるって手もある。今国会にいなくても、民間の学者、文化人、元議員から引っ張ってきてもいいんでは?(笑)
《子》そんな話よりも、公明党だよ。その立ち位置を確認することが大事じゃないの?今年結成60年の大きな節目迎えるんだし。私が生まれた頃からずっと与党で自民党と一緒なんだけど、これからどうするのかしら?
《父》どうするって、お前はどうしたらいいっていうんだい?どうするもこうするも、山口公明党の行く道を信ずるしかないよ。与党になって20年。とっくに現実的になって、理想を求めた平和も福祉の分野でも昔とは違うよ。ハッキリ言って自民党化して、政治選択は似てきて気になるけど、「政治の安定」からは仕方ない。
《子》うーん。理想か現実かっていうと、難しいわね。どっちかっていうと、昔の公明党って理想を強く求めたって、お爺さんはいつもいうわよね。創立者が求めた原点は、平和については核廃絶に代表される戦争反対、福祉については大衆の暮らしを守るってこと。それがどうも最近は曖昧で、おざなりになってるって。
《爺》自民党という古くて巨大な存在を追い詰める野党の中核的存在・公明党って、カッコよかったよなぁ。参院の黒柳明さん、衆院の市川雄一さんらの自民追及ぶりや、中道的見地からの合意形成作りは。与党になって、どうも自民党への批判的視点が薄れてきてる。自民党をまともな存在に変えるんじゃなかったのかね?
《父》そうかなあ。いくら野党として自民党をやっつけても、所詮は犬の遠吠えだよね。批判的姿勢がないっていうけど、今の自民党の裏金作りにしても、野党のような派手さはなくても、それなりに批判し、防止策も打ち出してる。防衛問題でも自民に歯止めをかけ続けて、生活上の問題でも細かなな政策提案をしてるよ。
《爺》20年の歳月は大きいし、与党化のプラスはわかるよ。佐藤優さんの『世界宗教の条件とは何か』って本読んでも与党化を必須の条件に挙げてるからね。でも、私に言わせると、与党=自民党は固定されてはいけない。民主主義って政権交代があってこそだよ。自民党の正当性が崩れている今、甘い姿勢は厳禁だよ。
《父》またそんなこと言って!今の野党に政権任せられるって思う方が甘いよ!鳩山・菅民主党のあの酷さ忘れたの?どんなに痩せても枯れても、あの時以外は自民党はいつ選挙やっても多数を占める。自民党も全体としては、そこそこまともになってる。だいたい、お爺さんたちの世代が今の日本をダメにしたんじゃないか。
《子》そこまでそこまで(笑) 。お父さんたち、そこで原点に返らないといけないんじゃないかしら。公明党って、出発時は政治を庶民大衆の手に取り戻すって目標持ってたよね。さっきからの2人の言い合い聞いてると、2人は同じことを反対方向から見てるだけみたい。つまり公明党の主体性がないように見えるわ。中道政党として、どう振る舞うかが大事で、今の自民党や野党、双方を共にリードする役割が問われてるって思う。
《爺》いいこと言うなあ。自民党の中で埋没するんじゃ無くて、中道のスタンスでガンガン発信しなくちゃ。
《父》山口さんたち、今だって十分にやってるじゃないか。爺さんはどこみてるんだよ。ったく。
《子》またぁ(笑)。公明党は自分たちの歩んでる中道政党としての路線について、私たちへの説明がいまいち足らないなぁと思うわね。防衛・外交、内政全般について、今なぜこの政治選択なのかについて、もっと率直に説明してほしいわね。〝心ならずもの道〟だって(笑)。皆本音のところを聞いてすっきりしたいのよ。
《爺、父》確かになぁ。そのあたりも含めてこの続きは改めてやりたいね。(2024-3-30 この鼎談終わり)
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