官兵衛人気の陰でうごめく人たち (37)

黒田官兵衛人気に煽られて、見誤られている人物が少なからずいる。ここでは二人を挙げたい。一人は伊丹は有岡城主・荒木村重であり、今一人は御着の城主・小寺藤兵衛である。二人ともNHK大河ドラマ(前川洋一作)によると、自らが助かりたいために妻子も家来も何もかも捨てて、ひたすら逃げまくるおよそ最低、最悪の人間として描かれている▲伊丹の友人によると、こういった人物がかつて城主だったということはあまり有難くないので、官兵衛がかつて”滞在された”地として、宣伝しているとのこと。その心中や察してあまりあるが、笑ってしまうことは禁じ得ない。また小寺藤兵衛も、忠臣であり続けた官兵衛を売った卑劣極まりない城主だったことは、御着の人たちとしては恥ずかしい。ここは姫路の官兵衛を強調することで隠したい気分であろう▲勿論、一人の人物でその地が決まるわけではない。とはいうものの、”寄らば何とか”は世の常で、裏と表とでは大違いなのだから、裏に回った地域は面白くないはずだ。そこで、名誉挽回の見方はないものか、と思っていたら、あった。荒木村重はただ逃げまくったのではなく、毛利に援軍を求めるためにかの地に走ったのであって、決してわが身可愛さだけで、逃げたのではないとの説である。つまり、何としてでも織田信長にひと泡食わせ、一矢報いたい、そうでなければ、死んでも死にきれないとの一念だったというのである▲そう、私も信じたい。ともかく、毛利は思わせぶりだけで、最後まで動かなかったのは、まったく罪深いということにすれば、村重が浮かぶ瀬も出て来る。だが、藤兵衛はどうも救いようがないみたいだ。ここは、英雄と裏切り者と、両者が混在する地として、等身大の受け止め方の効用を説くしかないのであろう。(2014・6・30)

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